PHISH

ROUND ROOM

いよいよ12月31日、ニューヨークのMSGで2年余りの休止から復活するPHISH。ライブでの本格再始動とともに、ニューアルバムも届けられた。10月5日6日18日19日の、計4日間でヴァーモントにあるトレイの個人スタジオ「THE BARN」で録音されたという全12曲、78分。バンドによるセルフ・プロデュースではなく、『ファームハウス』でトレイと共同プロデュースをしていたBRYCE GOGGINがひとりだけクレジットされている。個人的には新しい曲が聴けるだけで、うれしくてしょうがない。今このアルバムでの音を基本として、さらにライブを経ることによってどんどん新しい音が加えられていく成長過程にあるサウンドのようだ。4人で奏でられる音の構成は、いたってシンプルなものが多い。まだ音ひとつひとつを吟味して完璧に近いものを提出しているのではなく、再会を祝いながら、ニュアンスを我々に伝えてくれている、そんな感じだ。ゆったりとしていて、心地よくて、そして深くて美しいPHISHの新しい音。

   
   
   
   
   



OYSTERHEAD

The Grand Pecking Order

2000年5月のニューオリンズ・ジャズ&ヘリテイジで、突然姿を現したオイスターヘッド。メンバーはトレイ・アナスタシオ(PHISH)、レス・クレイプール(PRIMUS)、スチュワート・コープランド(POLICE)の一筋縄ではいきそうもない3人だ。活動の噂ばかりが先行していたが、ついにアルバムがリリースされた。ハイパーなビートとうねりのあるリズムが新鮮である。ただ聞いた印象では、クレイプールの印象が耳に残る。トレイが一歩引いているような感じだ。確かにトレイにとって、よりパーソナリティの強い人間と組んでみたいという思いが頭のなかにあったのは想像がつく。PHISHが活動を休止している今ではなおさらそうに違いない。このアルバムを聞く限りでは、強い個性同士がぶつかって得られる新しいエモーショナルは、さほど感じられない。ライブだったら、かなり違うインパクトになるんだろうけどね。個人的に一番好きなのはトレイが唯一作曲を一人で手掛けた9曲目。
   
   
   
   

 

 

TREY ANASTASIO

TREY ANASTASIO

PHISH活動休止中の2002年春に届けられた、トレイ・アナスタシオのソロアルバム。ソロ名義としては実験色の強かった『ONE MAN'S TRASH』(98年)以来となる。個人的に好きな音を追求しているのだろう、ホーンをフィーチャーしたファンキーなナンバーが多い。パーカッシブ、そしてブラック・フィーリングが溢れるサウンド。PHISHのスタジオ録音は、ややもするとダイナミズムさに欠けるきらいがあったものの、このアルバムの音は、ライブのフォーマットをそのままディスクへと転化させている。もちろんジャムのパートは少ないのだけれど、完成度が高い。濃密な音であり、ある意味ではスタジオワークの結晶がここに存在している。ライブ音源が中心のジャム派にとっても、久しぶりに何度も聞き込める。ちなみに8月に発売された日本盤にはボーナストラックが2曲追加されている。秋にはDVD5.1チャンネルバージョンもリリースされた。

   
   
   
   

 

 

 

 

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